- 行動経済学の知識をサクッと知りたい
- 冷静に考えたら買わない物を頻繁に買ってしまう
- マーケティングやマネジメント部門の仕事に関わっている
要約・ポイント『サクッとわかるビジネス教養 行動経済学』
行動経済学は個人の心理を扱う経済学で、知識ゼロの人でも理解しやすく、かつ実際のビジネスに役立つテーマです。行動経済学の研究対象である、人間の非合理的な意思決定方法を学べば、営業職にも企画職にも生かすことができます。例えば、宿泊予約サイトにリアルタイムの閲覧者数を表示することで、「これだけ注目されているならいいホテルに違いない」「急がないと埋まってしまうかもしれない」と思わせて予約を促す仕組みは行動経済学の活用と言えます。
本書は行動経済学の基本となる考え方をイラスト図解で簡単に示し、それをビジネスや生活に生かすための方法を豊富な実例とともに紹介します。「見るだけで会話・説明ができる」というシリーズコンセプトの通り、この本を読めば行動経済学的な視点で戦略や企画を提案することができるようになります。
著者は『東大教授が教えるヤバいマーケティング』(KADOKAWA)など著書多数の東大教授、阿部誠先生。個人の心理に着目したマーケティング研究の第一人者がおくる、ビジネスパーソンのための行動経済学の本です。出版社より
『行動経済学』についての書籍は、とても多くの種類の書籍が世の中に溢れかえっています。本書『サクッと分かる行動経済学』はタイトルの通り、サクッと内容と図解付きに多くの事例をもとに解説してくれているので初心者の方に大変おすすめです。
行動経済学ってどんな内容なの?
行動経済学と聞いてどういうイメージを持ちますか?
『行動経済学』は簡単に言ってしまえば『心理学』と『経済学』を足したようなイメージだと考えていただければと思います。
具体的に説明しましょう。
僕たちの生活の中では、意思を決定することの連続です。特に、お金に関する意思決定というのはあなた自身も大切なものだと考えているでしょう。しかし、考えてみれば損する買い物をしてしまった経験は誰にでもあるでしょう。例えば、スーパーのレジ待ちの間に目の前に置いてあったお菓子を買っていた、『先着10名限定』という商品を欲しくもないのに買っていたという経験は僕にもあります。
この経験こそが『心理学』と『経済学』を合わせた『行動経済学』に見事ハマってしまった結果なのです!本書を読むことで、そんな経験をしてしまった事がある『行動経済学』の仕組みをサクッと理解できて意識して行動ができるようになります。
行動経済学を知って得られる3つのメリット
行動経済学を知って得られるメリットは大きく3つだといわれています。
- 自己実現
- マーケティング
- マネジメント
『自己実現』、『マーケティング』、『マネジメント』の3つです。
①自己実現
行動経済学を知ることで自分の行動を変えることができます。
目指すべき目標があるのに、ついつい目先の誘惑に負けてしまいゴールにたどり着けないことってありますよね。なぜ自分が誘惑に負けてしまうかを行動経済学を知ることで対策を講じる事ができます。
②マーケティング
行動経済学を知ることで、消費者(相手)が商品・サービスを買いたくなる心理的な理解をする事ができます。そうすれば、相手の心理に寄り添った広告・セールスの方法がおのずと見えてくるでしょう。
③マネジメント
あなたの会社の同僚や部下を上手にマネジメントできることも経済行動学を学ぶことで役に立ちます。例えば、仕事を手伝ってもらう場合にお、『OK』をもらいやすい方法を知っていれば、あなたの頼みごとを聞いてくれる可能性が高くなります。
行動経済学の具体的な事例
実際にあなたが気づかない間に行動経済学の罠にハマってしまった具体的な事例を紹介していきましょう。いくつ経験があるでしょう。
①見たことあるものを買ってしまう
人は見た事があるもの、知っているものを信用して買ってしまうクセがあります。
テレビCMやyoutubeの広告などで、よく目にしていた商品を買ってしまう可能性が高くなります。
なぜなら人は、よく見聞きするものは身近に感じ、さらに『売れているもの』と思い込んでしまう傾向があります。人は自分の記憶に残っているものは信用してしまうクセがあるのです。
このような、なじみのあるものを選択する意思決定のプロセスを『利用可能性ヒューリスティック』と呼ばれています。
繰り返されるほどに『利用可能性ヒューリスティック』が強くなっていきます。あなたが今度、買い物に行った時に直感で買おうと思ったものを一旦、なぜ買おうと思ったのか。一瞬でも立ち止まって考えてみてはいかかでしょう。それは、テレビCMで刷り込まれた行動経済学のテクニックかもしれません。
②高いのに安いと感じて買ってしまった商品
行動経済学には実際に高額なのに、その商品を安く感じさせてしまうテクニックがあります。
高くて買えないと思っていた1,000万円の車があったとします。ある日、ウェブサイトを見ていたら1,000万円の車が、なんと!700万円で売っているのを見つけました。
あなたは、安いと感じますか?
多くの場合、安いと感じるでしょう。なぜなら、過去に1,000万円という金額が基準(アンカー)となり、安い・高いを判断してしまうクセが人にはあるからです。700万円という金額は30代の平均年収を大きく上回る金額です。
このように、最初に掲示された情報がのちの判断に影響を与えることを『アンカリング効果』といいます。
他にも定価30,000円のスーツが『半額!』と書かれている場合にも『アンカリング効果』で人は安いと感じてしまいます。
③1,980円と2,000円の差
お店に行くと『1,980円』、『2,980円』といった端数かつ最後の数字が『80円』で終わる価格が溢れているのに気付くでしょう。
同じ商品なのに、1,980円と2,000円という20円の差なのに売れ行きが全く異なる現象が起きます。これも行動経済学のテクニックなのです。
なぜ、1,980円の方が凄く安く感じてしまうのか。それは、僕たちは価格を上の桁から読んでいくからです。『1,980』という数字でまず目に入ってくるのは『1』の数字。
本当は2,000円近い価格なのに、僕たちの頭の中には1,000円台をいう印象が強くインプットされてしまうのです。安いと感じさせるキリの悪い価格は『端数価格』と呼ばれており多くの商品、サービスに利用させています。
本当にその商品は安いのか。一旦、立ち止まって考えてみましょう。
他にも色々ある行動経済学
他にも行動経済学は様々な内容があります。例えば、相手に良い印象を残すためのテクニックや、ほぼ当たらないような宝くじの確率を大きく見込んでしまったり・・・
本書『サクッと分かる行動経済学』では、そのような内容も分かりやすく簡単に解説をさせています。あなたも記事を読んで興味を持たれたら、ぜひ本書を手にとってみてくださいね。書籍リンクを貼っておきます。
まとめ・最後に
今回の記事では『サクッと分かる行動経済学』のポイントと要約を記事にしました。
行動経済学の書籍は世の中に溢れかえっています。本書は、行動経済学を理解したい初心者の方の入門書だといえます。
行動経済学を理解することで、あなたに大きなメリットが3つあるということを紹介しました。
『自己実現』、『マーケティング』、『マネジメント』でしたね。
行動経済学を理解することで、あなたの生活に溢れている選択を意識的に判断できるようになります。ぜひ、参考にしてみてください。