今回紹介したい1冊は尾原和啓さんの『プロセスエコノミー』です。
今『良いもの』を作るだけでは売れない時代になっている。
というのが本書の問題提起です。
ではどうすれば良いのか?
その答えは、物語を価値にする『プロセスエコノミー』だというのです。
完成品ではなく「制作過程」を売る!
“良いモノ”だけでは稼げない時代の新常識インターネットによって完成品はすぐコピーできるようになった。だから完成品で差別化するのは難しい。
そんな時代にはプロセスにこそ価値が出る。なぜならその人だけのこだわりや哲学が反映されたプロセスは誰にもコピーできないからだ。
完成品ではなく制作過程そのものを売る。
プロセスエコノミーはこれからを生きる全ての人の武器になる。出版社より出典
プロセスエコノミーで学べること
この『プロセスエコノミー』を読めば、なぜ大事なのか、実践方法から実例までを理解することができます。
しかも、デメリットまで正直に書いてくれています。
この1冊だけ読めばプロセスエコノミーを全部理解することができるでしょう。
「なぜ?」という疑問をしっかりと本書では答えており、プロセスエコノミーの全体を理解できます。
なぜいまの時代に必要なのか、なぜあのアーティストは成功したのか、様々な事例をもとに実践方法まで解説してくれています。
プロセスエコノミー要約
プロセスエコノミーとは
プロセスエコノミーとは完成した商品やサービスを価値として提供するのではなく、完成までのプロセス(過程)、物語を価値として提供する考え方です。
今の時代は何かを作り出す全ての人にとって、プロセスエコノミーは武器になると言われています。
音楽を作って売るのでなく、作っている過程を売る。というわけです。
今までは音楽を作って売る。というアウトプット(完成)エコノミーが主流でした。
大手メーカーの製品も今はどこも質が良くて似たものが出回っていますよね。
個人でいっても同じようなジャンルのYouTubeやInstagramを目にする機会が増えましたよね。
質だけでは他と圧倒的な差を生み出すことができなくなっているのでしょう。
今は技術を学べる機会が増えているから。と本書ではいっています。
インターネットで情報が行き渡るようになり一瞬で良い製品は真似をされてしまいます。
確かにひと昔前では何十万も払って受けていた資格の講座もYouTubeで同じぐらい質が高いコンテンツをタダで視聴できる時代になりましたね。
今までは結果を提供することに価値があったアウトプット(完成)エコノミーでは今後は他とは圧倒的な差を生み出せないというのです。
そんな時代の新しい稼ぎ方がプロセス(過程)自体を売る『プロセスエコノミー』です。
完成した商品やサービスを価値として売るアウトプット(完成)ではなく、完成までの物語に価値として売るプロセスがポイントになるということです。
物語は簡単に他に真似られることがなく、作るプロセスこそに価値を見出すことが本書では大事だと書かれています。
時代が求めているものは変わり続けている
時代が変わっていくことで人の求める欲求も変わるというのです。
ひと昔前までは人よりも多く働いて出世し、給料を上げてワンランク上の生活を求める人が多くいました。
これは『達成』・『快楽』という欲求が高かった時代です。
しかし、現代は便利な製品・サービスが生まれながらにあった乾かない世代といわれる方々の欲求は変わっているというのです。
その乾かない世代の方々の欲求は出世争いとかでなく『良好な人間関係』『意味合い』『没頭』だといっています。
その欲求を満たすことこそがプロセスエコノミーです。
Whyの価値を大事にする
Whyの価値とは、その人の生き方、こだわり、哲学、なぜやるのか。という部分です。
今まで重要とされてきたのスキル(How)やアウトプット(What)だけで勝負するのは厳しくなっているというのです。
たしかに同じようなコンテンツであれば、知名度の高い人と勝負をしなければならず普通の一般人の人であれば、殆どのケースで勝負はできないでしょう。
しかし、Whyという自分の哲学やこだわりを重点とした場合には、それは自分にしかないものですので時として強力な武器になるのではないでしょうか。
プロセスエコノミー感想
「なぜ?」という疑問をしっかりと本書では答えており、プロセスエコノミーの全体を理解できる1冊でした。非常に具体的で読みやすかった。
「個人が活躍できる!」「これからは個の時代だ!」というような風潮を最近では良く聞くようになりました。
「でも、どうやって活躍するの?」という疑問に答えている本やコラムは少ないです。本書の『プロセスエコノミー』はそんな疑問に答えをくれました。
個人が活躍する上で絶対に忘れてはいけない、ブレてはいけないのがプロセスエコノミーなんだな。と理解することができました。
企業に勤める30代サラリーマンのぼくとしては今の新入社員の半分近くが『出世』をしたくない。という回答に驚きを感じていました。
しかし、古い考えはぼくのほうで時代が変わり『達成』や『快楽』という欲求は古いんだな。と本書を読んで感じました。
現代の生き方を教えてくれる『プロセスエコノミー』は必読の1冊でしょう。