小説

52ヘルツのクジラたち 30代サラリーマンが読んだ感想

52ヘルツのクジラというのは世界で一頭だけ存在すると言われています。

他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴くため、何も思いを届けられないのです。

そのため、世界で一番孤独だと言われています。

そんな意味が込められたタイトル『52ヘルツのクジラたち』は2021年本屋大賞1位に輝きました。

 

 

さっそく、30代サラリーマンの私が読んでみたので感想を書いていきたいと思います。

感想とあらすじ

作品は、家族に虐待を受けながら育った20代後半の女性貴瑚の目線から母親に虐待され『ムシ』と呼ばれている少年に出会って物語が進んでいきます。

私の感想として、この作品が伝えたかったのは人は環境や様々な人の影響で変われるということです。

貴瑚は家族に虐待を受けている頃に誰にも辛い思いを伝える事が出来ませんでした。まさしく52ヘルツのクジラだったのです。

そんな中、出会った仲間たちに救ってもらえる事が出来たのです。

その頃の誰にも伝える事が出来なかった辛い過去の自分と、少年『ムシ』が重なったのでしょう。

貴湖は少年『ムシ』を母親の虐待から何とかして救おうと考えるのです。

貴瑚は救われた側から、救う側になったという事です。

タイトルに込められた52ヘルツのクジラたち。世界で一匹しかいないクジラなのに『たち』と複数形で捉えている事に意味があるのでしょう。

孤独だと思っていた。自分のような逆境を受けている人間は世界に誰一人としていないと。

ただ、同じ逆境を受けているのは自分だけではなく、実は世界にもいるという事です。自分は孤独ではないのです。そう思い込んでしまっているだけなのです。

共感できる仲間がきっといる事を教えてもらえる勇気をくれる作品でした。

読み終えて

そういえば世の中には孤独な人がたくさんいるな。と感じました。

会社内でも若手社員が適応障害で休むケースも増えています。環境は自分の若い頃に比べてもだいぶ良くなっているにも関わらず。(そう思っているだけかもしれませんが)

組織に馴染めないまま、何十年も働いている先輩社員など・・・・

周りの人は自分のことなど分かってくれない。こんな辛いのは自分だけなのだ。と気付かないうちに自分から孤独を作り出し『52ヘルツのクジラ』になってしまう人が多いのではないかと。

色々な価値観や考え方を持った人がいるのは当然です。自分の思いが他人に伝わる方がむしろ珍しいのでは無いかと思います。

同じ境遇を持った人には世代関係なく共感を受けるのでしょう。きっと自分は孤独ではない。そういう分かってくれる仲間を探しましょう。

52ヘルツのクジラたちの登場人物と私は世代が違いますが、主人公貴瑚のように救われた側から救う側になったという境遇は、きっと私自身も仕事で何も分からなかった新入社員時代に色々と救っていただけた先輩方に恩を返す意味でも後輩社員を救う側として恩送りをしないと。

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