映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』は、2017年に書籍化された、著者燃え殻さんによる同名人気小説を実写化したものです。2021年11月5日上映となっています。
待望の実写映画化ということで早速、Netflixに登録までして観ました。2021年11月現在では動画視聴サービスでは動線配信のNetflixでしか視聴できません。
『ボクたちはみんな大人になれなかった』のあらすじは主人公佐藤が、かつて自分より好きになってしまった女性加藤かおりとの思い出の回想と現在の心境を描く大人向けの恋愛ラブストーリーです。
実写映画では、主人公佐藤を森山未來さん。加藤かおり役は伊藤沙莉さんが演じています。
今回は、『ボクたちはみんな大人になれなかった』の原作小説と実写映画の違いを考察していきましょう。
『ボクたちはみんな大人になれなかった』原作と小説の大きな違い
結論からいってしまえば映画と小説の展開は全く違いました。
実写映画はオリジナルストーリーといっても良いくらいです。大きなポイントは原作を再現していますが、所々で内容が変更になっているシーンが多いと感じました。
理由としては実写映画は原作の3年後を描いているのではないかと推測されます。
小説の主人公佐藤は43歳ということが分かり、実写映画では46歳の設定になっていました。推測では原作のさらに3年後の主人公佐藤を描いているのではないかということが年齢設定で分かります。
今日一度目の朝のラッシュを迎えた日比谷線は六本木を出て、神保町に向かっている。地下鉄の暗闇の窓に映し出されたボクは紛れもない43歳の男だった。
小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』P11より引用
実写映画では冒頭のテロップに『46歳、つまらない大人になってしまった』と流れています。
『ボクたちはみんな大人になれなかった』原作と実写映画の違い
時代背景の変更
原作の現在の描写は推測で2017年で、実写映画の現在は2020年です。実写映画の始まりはコロナウイルスが猛威を振るっている現在から物語が始まっています。描写の中にオンライン会議で打ち合わせを行っていたり、飲み屋が20時で閉まってしまうシーンなどがありました。もちろん原作小説には描かれていません。
現在の恋人の描写
実写映画で大島優子さん演じる主人公佐藤の現在の恋人役である石田恵は原作には登場していません。恋人である石田恵は主人公佐藤との結婚を考えていましたが佐藤自身は過去を忘れないままでいました。
Facebookへの友達申請
原作では主人公佐藤が開いたFacebookで過去の恋人加藤かおりに友達リクエストを送信してしまうのですが実写映画では、Facebookの存在自体には気付くのですが友達リクエストを送信することは描かれていませんでした。
原作では、主人公佐藤のいわゆる映え投稿に対して加藤かおりがリアクションをする描写が描かれており現在の加藤かおりとの接点があったのですが実写映画では一切関わることはありませんでした。
同僚の関口が会社を辞めるときのやり取り
映画版では東出昌大さん演じる主人公佐藤の同僚関口賢太はメッセージのやり取りだけで現在の職場を退職することを主人公佐藤に伝えています。
原作では、辞める前に旅立つ関口が佐藤を呼び出して昔の思い出話や今の人生について語るシーンがありました。
スーとのやり取り
実写映画ではSUMIREさん演じる『スー』。主人公佐藤の恋人未満友達以上のような関係の人物でした。ある事件をきっかけに主人公佐藤と音信不通になってしまいます。
原作では、音信不通になる最後にスーが佐藤に対して1言伝える場面があるのですが映画版ではカットされてしまっていました。個人的にはスーとの最後のシーンが原作では1番泣けたのですが・・
ラストシーン
ラストシーンまで異なっているなんて・・・
原作と実写映画は、なんとラストまで異なっていました。内容を書いてしまうと完全にネタバレになってしまうのでぜひ、気になったかたはチェックしてみてくださいね。
まとめ
実写映画化された『ボクたちはみんな大人になれなかった』は原作小説との大きな違いは時代背景が異なっていることでした。実写映画では原作の3年後の世界が描かれていると推測されます。
他にも所々に変更があり、実写映画はオリジナルストーリーに近い展開となっていたことを紹介させていただきました。個人的には実写映画も原作も感動する場面が多くありました。原作を読まれた方でも実写映画は楽しめる内容となっていました。

原作小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』
それは人生でたった一人、ボクが自分より好きになったひとの名前だ。気が付けば親指は友達リクエストを送信していて、90年代の渋谷でふたりぼっち、世界の終わりへのカウントダウンを聴いた日々が甦る。彼女だけがボクのことを認めてくれた。本当に大好きだった。過去と現在を SNS がつなぐ、切なさ新時代の大人泣きラブ・ストーリー。