今回紹介する本はジェシー・S・ニーレンバーグ著「話し方」の心理学です。
そもそも、人と人が意思疎通をはかることはむずかしい。
多くの人は自分と関係のあることにしか関心はなく、意外なほど人の話を聞いていません。
では、どのようにすれば、上手に話を伝え、理解してもらうことができるのでしょうか?本書は、全米で半世紀にわたり読み継がれてきたビジネス&コミュニケーションの古典的名著の文庫化です。
(出版社より)
必ず相手を聞く気にさせ納得させるテクニックがたくさん書かれている本です。
全米で50年に渡り語り継がれてきたビジネス&コミュニケーションの古典的名著なんです。プレゼン・営業・恋愛・面接でも使える究極の心理テクニック集が詰まっています。
本書を読むことで
・聞く気のない相手の注意を引きつけることができる
・言いたい事をストレートに伝えられる
・頑固な人を説得する
・飽きない会話、スピーチができるようになる
・相手に質問をさせ、会話に引きづり込める
などのテクニックを身に付けることができます。
今回は本書から大事な3つのポイントを紹介していきます。
3つのポイント
・前提として人は話を聞かない
・会話をする時は相手に気を配ること
・相手を理解してから説得をする
前提として人は話を聞かない

まず前提として相手は自分の話を聞く気がないという事を知らなければなりません。
アイコンタクトや頷きをして目をキラキラして話を聞いてくれる人って周りにいますよね。
本当に心からあなたの話に賛同して、心から話を聞いているのでしょうか。
多くはノーだと言えます。人は自分の考えを内面的に持っているため、人の話を聞いて考えるというのは実は不自然な状態なのです。
基本的には人は人の話を聞いていないという事です。
あなたの話を聞き共感し、結果として行動を変えることができるテクニックが次のポイントに書いています。
会話をする時は相手に気を配ること

会話に乗ってもらう為には相手に気を配ることが必要です。
会話の目的を告げてから会話に入る
会話に積極的に参加させるには、何の目的があってこの会話をするという事を、まず伝えるという事です。
質問をする時についても質問の目的を伝えないと相手に不信感を与えてしまい会話にならない可能性もあります。
相手の気持ちを尊重する
会話をしている時には言葉にならない様々な情報がやりとりされています。
例えば相手をどのように思っているのか、とういう情報です。
聞き方、話の仕方で、私はあなたの事をこんな風に思っていますよ。と伝わってしまいます。
会話をする時には、頭のなかで相手と入れ替わって自分の言葉を聞く立場に立ってみると良いでしょう。
的外れな話題や質問も受け止めて、なぜそのような質問が出るのかを考えてみる
そもそもこちらの話に相手がじっくりと付き合ってくれる、などと期待するのは間違っています。
多忙な人であるほど質問や話題を振って話を整理して早く要点を知りたいと思うのは自然です。
話している方は利き手から唐突な質問が出ると自分の話を聞いてくれていないと感じてしまいがちです。
しかし、自分にとって脈絡のない質問であっても聞き手にとっては何らかの意味があり目的があります。
話し手と聞き手の関心は必ずしも一致しません。
会話とは論理と感情のせめぎ合いの場であると考えてみましょう。
感情や論理に左右され聞き手は頭の中で会話と同時進行で別の思考が進んでいます。
なので、相手から唐突な質問が出た場合は思いつきを口にしたわけではありません。
頭の中で進めてきた疑問を口に出しているだけであり、こちらにとっては唐突な質問に感じてしまうが質問した相手は本質的な質問だと感じているはずだ。
本題と無関係なコメント、辻褄の合わない意見でも耳を傾けて流れを切るようなことはせず、相手の気持ちを尊重しましょう。
そして相手の考えている真意は何かを知るようにしましょう。
相手を理解してから説得をする

説得とは相手が新しい反応をするように導くことです。
思考、感情、行動を変えることが説得であるといえるでしょう。
では、人は思考、感情、行動を変えるのはどんな時か。
それは自分を取り巻く内側の世界と自分以外の外部からの影響です。
わたしたちは常に自分の内側の世界と外部からの影響によって反応しています。
例えば、セールスマンがお客様に商品を購入してもらいたくセールスをしているとします。
セールスはお客様にとって外部的な要因である説得ということです。
お客様は説得されながら内部の自分の世界である価値観や経験に刺激されて、セールスマンが説得している商品を買うべきか悩みます。
どんな会話をしている時でも、人は複数の内部的な刺激を受けて物事を判断しています。
今のセールスマンの例ではお客様に商品を買ってもらいたいという目的の会話があります。
説得とは、人に働きかけて特定の反応を確実に実行させることです。
よって目的のある会話の多くは説得だと言えるでしょう。
親は子供に対して、いい子にしなさいと説得しまう。医師は患者が処方箋どおり薬を服用するように働きかけます。
弁護士は判事を納得させようとします。上司は部下に、恋人たちは互いに働きかえて相手から反応を引き出します。
目的のある会話の多くは相手の思考、感情、行動を変えさせるための説得なのです。
説得とは、あなたの今の考えを捨てて私が示す考えを採用しなさい。ということである。
では、どうすれば相手を納得させることができるのか4つのポイントを紹介していきます。
こちらに説得を受け入れてもらう下地をつくる
新しい考え方を受け止める準備が整っていなければ、相手はあなたの説得に応じようとはしません。
まずはあなたの話に集中できる状態にあるかどうかです。相手は忙しくて時間がない時や、周りに多くの人がいて集中できるような環境でない場合は説得する時ではないでしょう。
そして、あなたの話に集中できる環境を作れたら2つの下地が必要になります。
1あなたの説得(考え方)を取り入れるために大きな犠牲を払う必要があるのかどうか。新しい考えかたを受け入れる為に、これまでの考え方を大々的に入れ替えたり削除したりする必要があると、新しいアイデアを取り入れたがらない
2新しい考え方が自己イメージにどう影響するのか。新しい考えが自我を木津つけるようなものであれば拒絶してしまいます。
この2つの要因が結びついて、あなたの説得を拒絶してしまうパターンが多いです。
前の考え方に固執したり、自己イメージを維持したいが為に新しい考え方を取り入れられず拒絶してしまうというわけです。
説得する相手が、どういう考え方をしているのか、価値観は何なのかを調べた上で説得をしなければ拒絶されてしまう可能性が高くなります。
相手を知った上で説得をするように心がけましょう。
相手からの質問や疑問は新しい考えを受け入れる下地があるというサイン
あなたが説得をしていることに対して相手が質問する、もっと知りたいと意思表示をする時は脈アリのサインです。
満たしてもらいたい部分があるということです。
相手の口調にも気をつけてみましょう。きつい口調で質問をしている場合は受け入れる可能性が少ないサインです。
相手が説得を受け入れられる状態になるまで反論しない
相手が自分の考えを明確に述べて、それがこちらの説得に対立する内容であれば、いくら論理的な情報を説明して説得しても無駄になります。
説得を受け入れる下地がないからです。
圧倒的にこちらの説得に分があり、納得するはずだと思ってもぐっとこらえて反論しないようにしましょう。
ここで大事なのは自分の考えを伝えて説得するのでなく、相手の考えにこちらから近づいていくことだ。
こちら側に引っ張れそうもない場合には、相手はどこを譲ろうとしないのかこちらから相手に近づいてゆけばよいのです。
相手の考えを知り、弱点を見つける
積極的に相手の考えを知るようにしましょう。
客観的に相手を検証して、どれほど足場がしっかりしているのかを調べましょう。
どこにも弱点が見つからない場合は相手の意思は固いということです。
それを上回るメリットがこちらの説得にない限り成功する見込みはありません。
もしも、弱点が見つかった場合には説得の糸口になります。
弱点は発言から読み取ることができます。他にも道はないだろうかという自己不信を表す言葉や、どうしたら弱点を克服できるだろうという問いはサインです。
人を説得するとは、あなたの今の考えを捨てて私が示す考えを採用しなさいと。いう言葉を思い出してみていただきたいです。
相手を説得させる為には、いきなりこちらの論理を押し付ける余地も、相手のこだわっている考えや感情を引き出すことが大事です。
相手に弱点があれば説明するうちに明らかになるはずです。
ただしここで説得したい気持ちを抑えることが重要です。相手を説得したい、持論を吐き出したいという気持ちは抑えましょう。
相手の考え方を深く知り、それであれば私の話はあなたの役に立ちますよ。という風に説得をすることで成功する可能性が大きく上がります。
最後に
今回はベストセラー話し方の心理学から相手を聞く気にさせるテクニックのポイントを紹介させていただきました。
相手の立場に立つのが大事ですね。
人は判断をする時に論理的な事だけでなく感情にも左右されてしまうということです。
話すテクニックとして相手の感情も読み取って相手に合わせた説得をする事で成功する可能性が高まりますね。
会話は意見や論理だけでなく感情にも左右されます。
会話とは意見を伝えるものではなく、感情を伝えるものでもあります。
本記事には伝えきれなかった点が多くあるので、気になった方はぜひ本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
