こんばんは!
今回は細谷功さんの「具体と抽象」を読んだ感想を記事にしています。
永遠にかみ合わない議論、ヘイトスピーチ、ネットでの炎上。その根底にあるのは「具体=わかりやすさ」の弊害と、「抽象=知性」の危機。動物にはない人間の知性を支える頭脳的活動を「具体」と「抽象」という視点から検証。具体的言説と抽象的言説のズレを四コマ漫画とシンプル図解で表現。
具体と抽象の結論
①物事の本質(幹)を捉える事が大事
②具体化と抽象化をセットで考える事で物事を捉える能力が高くなる
③抽象化をすることで物事の視野が広くなる
そもそも抽象化ってなに?
枝葉を切り捨てて幹を見るという事です。
特徴や属性を持つ現実の事象から、共通の特徴を抜き出してまとめるという事です。
裏を返せば、共通の特徴とは関係のない他の特徴を全て捨て去ることを意味します。
1つの事象から、どんな特徴を抜き出すかは、その時の目的や方向性によって変わってきますよね。
例えば、1人の人間を抽象化するにも、ディズニーランドへ行く場合は
年齢 | 入場料 |
大人:18才以上 | ¥7,400 |
中人(中学・高校生):12~17才 | ¥6,400 |
小人(幼児・小学生):4~11才 | ¥4,800 |
シニア:65才以上 | ¥6,700 |
年齢という特徴を抽象化して入場料の設定を行っていますね。
銭湯に行った場合も男性か女性かという性別の特徴で入場をしていますね。
世の中は具体と抽象で出来ているということですね。
普段、使っている【魚】も具体と抽象で出来ている
【魚】を抽象化すると【動物】で更に抽象化すると【生き物】になりますね。
逆に【魚】を具体化すると【マグロ・サケ・アジ】とかになりますね。
【マグロ】を具体化すると【本マグロ・ミナミマグロ・クロマグロ】とかになるでしょう。
さらに【本マグロ】を具体化していくと【〇〇沖で先頭から3番目に獲れた本マグロ・豊洲の〇〇店で2番目の競りで購入した本マグロ】とか大変な事になってきますね。
人が魚という特徴や属性のグループを抽象化して言葉を生み出したという事ですね。
同僚と帰りに「マグロ食べたいね。終わったら、寿司でもどう?」って会話はありますが、「豊洲の〇〇店で2番目の競りで購入した本マグロ食べたいね。寿司でもどう?」とはなりませんよね。
ただ、過去に焼肉食べに行くぞと上司に言われて同僚がジンギスカンの店を予約した時は、怒られてましたね。
上司は、牛角とかの焼肉(牛・豚・鳥)をイメージしてたと思います。
具体と抽象のバランスが大事って事ですね。
頭の中で具体と抽象を繰り返して言葉を選んで使っている
子供は徐々に抽象化の概念を覚えていきます。
例えば、田舎のおばあちゃんから電話が掛かってきた場合に
「今日は、何をしていたの?」と聞かれた時に
「セブンインレブンにポッキーを買いに行ってた。」
「あいちゃんとアンパンマンを見てた」
と返答していた事が徐々に抽象化の表現を覚えて
「コンビニにお菓子を買いに行ってた」
「友達とテレビを見ていた」
になるわけですね。
ぼくの部下に昨日の休みは何してたの?と聞いて
「あいちゃんとはたらく細胞見てました」
と言われたら【???】ですよね。
あいちゃんって誰?・はたらく細胞見てたってなに?みたいな感じですよね。
(知らない事が前提ですが。。はたらく細胞は最近のアニメですね。)
大人になるに連れて相手に合わせて抽象化を無意識に覚えているんでしょうね。
抽象化なくして生きられない
ぼくたちの世界は突き詰めれば、具体と抽象で成り立っています。
ただ、普段からこれらの関係についてほとんど意識をしている事はありません。
この本のテーマは具体と抽象について分かりやすく説明をしてくれています。
普段、使っている言葉でも具体と抽象で溢れています。
【リーダーたるもの、言う事がブレてはならない】と【リーダーは臨機応変に対応すべし】
は相矛盾する言葉ですよね。
重要な視点がまさに具体と抽象なんですね。
リーダーたるものブレてはならない事は、哲学や会社の基本理念のことであり、臨機応変に対応する事は、具体的にプロジェクトなどを達成する為の手段ですかね。
○Aさんリーダーは哲学や会社の基本理念を持って、時代に合った手段で臨機応変にプロジェクトを達成する。
×Bさんリーダーは哲学や会社の基本理念を毎日変えながら、一度決めた手段は徹底してプロジェクトを達成する。
Bさんは、良くわからないリーダーになりそう。。
抽象化できる人は、要するになんなのかをまとめて話す事ができる
しかも、与えられた時間が1分なら1分なりに、30分なら30分なりに話す事が出来るんです。
今度公開される、新海誠監督の天気の子を観た感想を1時間で伝えてと言われたら、具体的に登場人物がこうで、時代背景がこうで、こんな冒頭から始まってなど頭を使わずに淡々と話せると思います。
ただ、1分で話して!と言われたらどうでしょう?ぼくは公開前でもちろん観ていないので感想は言えませんが、観た後でも話すのに困ってしまいますね。
抽象化できる人は、その時間に応じたポイントとなる事を伝える事ができるんです。
要は、かいつまんで話せるという事です。
ぼくも、できるように頑張ります。。泣
最後に・感想
要は、物事の本質(幹)を捉える事が必要だという事ですね。
ぼくが社会人になって大事にしている安岡正篤さんの言葉です。
私は物事を、特に難しい問題を考えるときには、いつも三つの原則に依る様に努めている。
第一は、目先に捉われないで、出来るだけ長い目で見ること。
第二は物事の一面に捉われないで、出来るだけ多面的に、出来れば全面的に見ること。
第三に何事によらず枝葉末節に捉われず、根本的に考える。
『安岡正篤 一日一言』より
常に物事を枝葉末節と根本で考えていくことを忘れないでいれる言葉です。
今回、参考になったらと思い記事にしました。
人により抽象化のレベルが違うと、思いますのでご了承ください。
「メモの魔力」についての記事も書いています。